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☆2019/8/10更新☆
【読書雑記559】『日本ナショナリズムの歴史 III 「神話史観」の全面展開と軍国主義』(梅田正己、高文研、2800円+税)。本巻が描くのは、陸軍による「軍国主義宣言」から「国体明徴」運動の推進、さらには、文部官僚による『国体の本義』の鼓吹、そして遂に「無謀な戦争」へと突き進んだ道程だ。「神国ナショナリズム」が国を席巻した時代が対象だ。また、本巻では「皇国史観」に替えて、「神話史観」という語が使われる。
昭和に入り、テロとクーデターが頻発し、独立軍かのようにふるまう関東軍による満州事変が引きおこされた昭和9年、陸軍は「軍国主義宣言」ともいうべき政治文書『陸軍パンフレット』を発表、次いで「国体明徴」運動を先導する。文部省はこれに呼応して、『国体の本義』を発行、全国の中等学校生徒に「忠君愛国」の思想を吹き込む。そして遂に日本は「無謀な戦争」に突き進む。
この国を神話史観にもとづく「神国ナショナリズム」が席巻していった過程を具体的な史料を提示しながら本書は解き明かす。「神国ナショナリズムと軍国主義日本(日清戦争から満州事変まで)」の章では、軍による“軍国主義”宣言とも言える『陸軍パンフレット』、美濃部博士のバッシングから「国体明徴」運動へ、文部省『国体の本義』の“神話史観”の登場、矢内原教授を東大から追放した国家総動員法と津田左右吉博士の「神話研究」の抹殺、日本軍国主義思想の極点―文部省『臣民の道』と陸軍省『戦陣訓』、国民学校をつらぬいた教育思想、軍国主義がつくりあげた人間像・・、圧巻の記述だった。
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