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☆2019/9/17更新☆
【読書雑記571】『祖国が棄てた人びと 在日韓国人留学生スパイ事件の記録』(金孝淳/著、石坂浩一/監修・訳、明石書店、3600円+税)。70年代、韓国の大学に留学した在日韓国人が逮捕され、拷問によって北朝鮮のスパイにでっち上げられ、死刑を含む有罪判決を受けた」。被害者を取材して、事件の全容と背景に迫る。
田中宏(一橋大学名誉教授)は推薦文で、≪自分は誰かと問いながら「祖国」に留学した若者が突如逮捕され、拷問によって「北のスパイ」に仕立て上げられ、長くつづく捕囚に呻吟する。南北分断の亀裂に青春を奪われ祖国に裏切られた在日韓国人とそれを救う家族・弁護士・支援者は、懸命な活動によって終に再審無罪を獲得する。生きた日韓現代史がここにある≫と書く。
著者は、『ハンギョレ新聞』の元東京特派員で、編集局長も務めた。この著は当事者や関係者の証言と資料をもとに、70年代〜80年代の「学園浸透スパイ団事件」の真相と背景を追う。『ハンギョレ新聞』にハン・スンドン記者の書評が掲載されたが、以下はその一部。
≪この本を読むならば、私たちが生きてきた社会を、そして大韓民国という国を、根本的に考え直すことになるだろう。私たちが生きてきた国の実体、この国を支配して運営してきた人々の考え方や道徳的・人格的な水準が、せいぜいこの程度だったのか・・。とても信じられないが、過去の時期に“国家転覆を企図したとてつもない変乱”として発表・報道(または、発表もされずに隠蔽)され、数多くの若者を死刑・無期囚へと追いやった「在日同胞留学生スパイ事件」は、そのほとんどが捏造された偽りであったことを、『祖国が捨てた人々』は生き生きと、そして冷静に示してくれる。それら事件の真相と、被害者たちの悔しい心情、事件を捏造した政権の非人間的な意図と不道徳性を、これ程までに具体的で総合的に明らかにした本は、これが初めてだ≫
Smart Renewal History by The Room
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