千代野ノート
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☆11/22更新☆

第67回 ホノルルマラソンへ(その1 新たな出会いが始まった)

 このサイト“「編集だより”でも紹介いただいた、12月6日からのホノルルマラソンツアー。その紹介記事が11月6日付の「朝日新聞」に載ると4件の問い合わせがあった。うち1件は大阪の障害者施設からのバリアフリーの旅についてで、いい意見交換ができた。

 さて他の3件(3家族)を、同行するメンバー(ホノルルマラソン体験者)とのミーテングに誘うと、全員(あわせて5人)が来られた。そして全員が、その場でホノルル行きを決めた。ツアー1ヶ月前、一片の記事で決意するとは…。朝日新聞の力はさすが!というべきか

 主婦のT・Sさんは、以前から参加したいと思っていたが、周りに体験者がいず諦めかけていたという。そのときに新聞記事を見たとの事。

 T・Nさんは、68歳のご主人が軽度のアルツハイマー。健康維持のために山登りをご夫婦でされており、脚力は問題ないが、ご主人の口から出る言葉は意味不詳。わが夫婦と同じで、外出時は2人でしっかり手をつないでいらっしゃる。

 ここまでは同じだが、違うのは外でのトイレの介助。わが夫婦の場合、障害者用トイレがない所では、私が妻の手を引き男性トイレへ入る。T・Nさんの場合は、奥さんがご主人の手を引き男性トイレへ入る。男性トイレの入口では周りの男性に障害者とわかるように「お父さん、ちゃんとオシッコするのヨ」と大きめの声をかけるらしい。

 もう1組のNさんは、30歳の娘さんがダウン症。京都市左京区の身体障害者スポーツセンターで清掃の仕事をしていらっしゃるという。お母さんの心配は彼女が乗り物好きで、左京区から伏見の自宅までまっすぐに帰宅せず、私鉄などであちこちに立ち寄り、警察などのやっかいになることらしい。

 そしてもう一つ。T・NさんとT・Sさんが以前同じ会社に勤めていたということがわかった。会うなり、T・Sさん、「アアッ、TNさんじゃない!エエッ、ホノルル行くの!貴方も新聞見たの!」。2人が勤めていた会社その会社とは、あのノーベル賞・田中耕一さんの所。

(次回は11月29日更新予定です)
 筆者紹介
富田秀信
1996年春、妻の千代野さんは(当時49歳)、急激な不整脈による心臓発作で倒れていた。脳障害をきたし、何日か生死の境をさまよった。「奇跡的」に一命を取リとめたが、意識(記億)障害で失語、記憶の大半を失った。京都の東寺の前に住み、神戸の旅行会社に通う。数多くの市民グループの事務局長をつとめるが、その場に千代野さんの姿がよく見られるようになった。
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