“がお〜っ!!”みなさまお久しぶりでございます。こんなに長いお休みをするつもりは毛頭なかったのですが、あれよあれよと月日がたって、きっかけをなくしておりました。ごめんなさい!
さて、厳しい残暑を無事に乗りきった、愛すべきじじばばさまたちもめっきり秋めいてすごしやすい日々を送っているかというと・・・ま、それなりです。
94歳のTさんは、同じく一人暮しの97歳のMさんに会いたくて仕方がありません。路地(ろうじと言います)二すじの近さですが、足が悪くてほとんど家から出ない二人にとっては、とても遠い距離です。けれども決して外出することを口に出さなかったTさんの願いをなんとかかなえようと、準備をはじめました。おばばさまの外出にはそれはそれは念入りな“段取り”が必要なんです。
まず、トイレ。「いつ行きとうなるやらわからんから、アレあててますねん。そやからお便所が近いところでないと困りますねん」ハイわかりました!次に「急に誘いに来てもろうてもあきまへんで。年寄りは急に動けません。けどあんまり先の日を言うてもろても忘れるしあきまへん」ハイ2日前にご案内いたします!「天気が良かったら洗濯しんとあかんし、雨やったら出かけられへんし・・」とワタシにすれば“どうでもエエがな〜”と思うようなことを次から次へと思い浮かべては心配しているおばばさま。そのひとつひとつに「よっしゃわかった!何とかする!」とおばばさま再会を実現しようと張り切るワタシ。とりあえずの心配事をひととおりクリアして、後は日程を決めるだけ。
ところがここに来てTおばばが「あのなあ、肝心なことを忘れていたわ」とため息をつきだしました。肝心なコトって何?なに?すると「Mさんは私より三つも姉さんやろ。しかし私よりしっかりしてはると近所のウワサや。私はこのとおりいつ逝ってもおかしくない具合やし、果たしてMさんと積もる話をするだけのチカラが残っていないようやから今回は見合すわ・・・」へ?次の機会て、そうあらへんと思うねんけどなあ。何てことは口に出さずにおきましょう。ねえねえいつお出かけする?
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筆者紹介 |
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鮎原こずえ
看護婦出身のケアマネジャー。悩みは看護学校の授業の準備。お年寄りとその家族の絶大な信頼を得て、ケアプランの作成、サービス提供事業者との連絡調整、訪問看護に携わる。下町の事務所は“セコムばばさま”に囲まれていて安全安心。ひっきりなしに連絡や出入りがあって、席のあたたまる間もない。底なしの酒豪との噂はホントだった。 |
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