ひゅうまん京都

WEB版 『ひゅうまん京都』

 

 
 
小田実のこのごろ考えること
(05年3月号)

 04年7月31日に開かれた無年金障害者訴訟を支援する集会で、作家・小田実さんが「このごろ考えること」と題して講演しました。以下、その内容を6回に分けて掲載します。文責は編集部にあります。


第6回 戦争と憲法

 私は大阪で生まれて、大阪で育ったから、京都と根本的に違うのは、京都は空襲を受けてないでしょう?大阪は山ほど受けた。焼け野原になった。45年の秋、京阪電車に乗って三条京阪に着いた。腰抜かしたね、別世界でした。京都は電気が綺麗に点いていて、今の賑わいと実質的に変わらないでしょう。大阪は焼け野原だった。暗黒で真っ暗だった。戦争が起こったら別世界になっちゃうのですね。完全な別世界になってしまう。そこには一方的な殺戮と破壊があった。
 殺戮と破壊の後にわれわれは平和憲法を獲得した。憲法にとってはね、こうやって訴訟したりすることはとても大事なのですよ。憲法を実践することですね。平和憲法も、平和憲法の条項を実践することです。そのためには、いろいろなことを知らないといけない。だから訴訟することも大事です。私は大阪の違憲訴訟に参加している。自衛隊のイラク派兵の違憲訴訟。あなたたちにも参加してもらいたいね。これには3つの理由がある。
 第1はそもそもイラク派兵そのものが違憲であるということ。第2に、一万円出したら市民運動を形成できる。訴訟に参加するのに一万円出せ、と。そうやって訴訟に参加する。それから三つ目はね、違憲訴訟というのはモロにはできないのですよ、この国では。ただ憲法の問題を訴訟を通じてハッキリさせることができる。憲法を盾にして裁判をするという重要性。ぜひこうしたことを続けて、一歩一歩から、日本の民主主義を作り出したいね。

(終)


 
 


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