ひゅうまん京都

WEB版 『ひゅうまん京都』

 

 
 
権利を守る運動
(05年06月号)

障害の違いを越え、広く手をつなごう
 −創立35周年迎え、尊厳ある暮らし実現へ、全力

編集長 京障連の総会に行って来たんだって?
記者 6月5日の午後から夜にかけて、総会、総会記念講演会、創立35周年記念パーティーが連続して開かれましてね。疲れました。
集長 仕事は疲れるもんだよ。総会はどうだった。

支援法、無年金、教育

記者 全体を通じて、障害の違いを越えた人が結集している運動体としての姿が印象的でしたね。
 取り組(んだ)むとしている課題は、@障害者支援費制度と障害者自立支援法案A無年金障害者訴訟と特別障害給付金B障害児教育と特別支援教育の3つでした。
編集長 そうか、個別の障害者団体では効果的に取り組みにくい課題だな。それに、これらの問題は、全国的でありながら一人ひとりの問題でもあるという特徴があるよな。
記者 そうそう、その意見とも関連しますが、「京都わらび会」という、稀少難病患者・児と家族の会が加盟しましてね。この会は、病気の原因も治療法もわからない上に患者数が少なくて、患者会ができない稀少難病患児・者と家族の集まりで、人間としての尊厳をもって生きられるよう、病気の原因究明と治療法の確立や福祉の充実を求めて活動していて、会員は90名だそうです。
編集長 京障連の組織や予算はどんな具合だ。
記者 加盟団体が29、個人会員が二百四十一名だそうで、年度内に三百名をめざすとしています。組織の悩みも率直に出されていましたよ。
編集長 何だ!?
記者 役員会の出席率が低くて、困っているようでした。現在は出席した役員の氏名を明らかにしているようですが、改善が見られなかったら、無断欠席者の氏名を公開するかも知れないなどという声もありました。
 僕が気になったのは、障害種別を越えた運動を進めるとしながら、精神障害分野の団体や個人の参画が弱いことですね。
編集長 障害者自立支援法案が成立すれば、最初に被害を受けるのは精神障害者の医療などだからね。
記者 そうですよ。それにしても、年間予算が百数十万円、専従職員も持たないのに、月刊機関紙、インターネット上のホームページ、ラジオ番組を持って精力的に情報の受発信を行っている姿は好ましいですね(下に役員名簿)。

国連・障害者権利条約学ぶ

編集長 記念講演会のテーマは,あまり馴染みのないものだったが・・。
記者 「国連・障害者の権利条約、何が問題か」と題して、視覚障害者協会の役員でもある竹下義樹弁護士が話しをしたのですが、なかなか刺激的な問題提起でしたよ。
編集長 国連では今、どこまで議論が進んでいるのだ。
記者 この夏にも第6回特別委員会が開催されることになっており、前文、第1条・目的、第2条・一般的原則から、第16条・障害を持った子供、第17条・教育、第25条・モニタリングまで各条毎に論議されているようで、そう遠くないうちに成案がまとまりそうですね。
 竹下弁護士は、同時に、国内法としての障害者差別禁止法の立法と合わせて考えようと呼びかけていました。
編集長 これなども、京障連が腰を入れて取り組むべき課題のようだな。
記者 京都には、このテーマで、国連の場でも、全国的な舞台でも中心的な役割を果たしている人がいるのです。学習会を開くなどして、頑張って欲しいですね。

創立35年記念するパーティー

編集長 ところで、35周年ということは、70年に創立されたという計算になるね。
記者 ええ、京都では蜷川虎三知事の六選が実現した年で、障害分野の運動を受けての組織だったようですね。その年の4月が選挙、創立は半年後の秋です。35年前とは事情は違いますが、運動の大きな盛り上がりの中で、新たな出発を期する機会になったのではないですか。
編集長 例の「応益負担に反対する大集会」のことだな。それにしても、画期的な取り組みだったな。
記者 ええ、パーティー自身が「応益負担」問題の討論会のような雰囲気でしたね。視覚障害や聴覚障害,肢体障害の参加者が、障害者サービスを「私益」と捉えることに異論を唱えていました。
 民主党の山井和則衆院議員が終始、席に座っていたこともあって、興味深い意見が続きました。
編集長 堅苦しそうだな。
記者 いや、そんなことはありません。マジックがあったり、視覚障害者の笛やピアノ演奏があったりして、和やかでしたよ(写真は中国笛を演奏する楊雪元さん)。
編集長 そりゃ結構。  

(k)

 

新年度の役員

会  長  松本美津男 副会長  一谷 孝 高山正紀
事務局長 池添 素
  次長 大山好勝
常任委員 久保弘司 小原純子 四方宣行 尾上 豊 加味根史朗 坂井一裕 井出典子
 野谷紀子 浦野新一 下岡 巌 北原 久 谷本樹保 中野宏之 井上吉郎
 羽根田晴美 今村雅夫 河野暉夫
会計監査 安田 隆 川見 均
顧  問  夏目文夫 田中昌人 梅原正之
 
 


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