前号でお店開拓のはなばなしいあふるを紹介しました。でも、その後、あふるは調子にのり過ぎて風邪をひいてしまいました。
一人暮らしをしていても、体調の管理がむずかしいあふるです。食べ過ぎ、はしゃぎ過ぎに気をつけなければなりません。また、暑くても寒くても衣服の調節ができません。あふるのアパートを訪ねると、暑い部屋で横になっていました。クーラーをつけることも窓を開けることも気がつかないのです。
一人暮らしと言っても、なんだかお粗末です。親がいつまでも面倒見るわけにはいかないのに・・・。
そんな時に家に帰ると、娘がパジャマ姿でテレビゲームをしていたりします。学校も休んだようです。「いい高校に行きたい」と言っていたのにどうなるのでしょう。家事もしなくなりました。朝食がそのままテーブルに残っています。「冷蔵庫にしまっておいて」とメモを残しておいたのに・・・。
暑い中、自転車こいで仕事から帰ったわたしはがっくりきます。お母さんはがんばっているのに・・・。
三男のことも重なりました。預かってもらっているTさんから話がありました。勉強がはかどらないようです。満員電車が苦手な三男は毎朝5時半に出かけ、夜10時頃に帰宅するそうです。Tさんは朝4時半に起きて朝食を用意しているそうです。三男は塾の先生の指示がなかなか身につかないとのこと。「勉強に近道や楽な道はなく、地道な繰り返しが必要なのに」とも言われてしまいました。
奇妙な行動をする三男がすんなり受験勉強に取り組めるとは思ってはいなかったものの、指摘されると申し訳なく思ってしまいます。雑踏が苦手なことも、要領が悪いことも、Tさんの失望も心配していたとおりになりました。
わたしの子育ては失敗だったのか・・・。
子どもたちには、思いのままに生きてほしいと願ってきました。それぞれが型にはまらない生き方を選び、面白い子たちに育ってくれたと思っていました。でも、落込むこともあるのです。これで良かったのかと。
こんなときは子どもと離れるのが一番です。子どもと同じ空間にいるだけで息苦しく感じられます。ちょっとでも家を離れて喫茶店や映画館ですごします。そして、お母さんも好きなことさせてもらいます。ご飯を食べながら本を読み、台所で服を縫います。
時間をおき、気分を変えて、仕切り直しです。今回も開き直って、ここでジタバタしても仕方ない、と構えることにしました。三男はチャレンジしてダメだったら帰ってきたらいい、娘は悩める思春期をじっくりすごしたらいい、ということにしました。そしてあふるはしおらしく、「早く寝る。冷たい物、甘い物は食べない。汗をかいたら着替える。ゲーム禁止」の言いつけを守りました。あふるは「ぼくだけがお母さんの言うこときいてるやろ?」と言いました。
元気になったあふると祇園祭に出かけてきます。 |
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| 筆者紹介 |
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渡辺 加代子
1955年、千葉県生まれ。ホームヘルパー。 25、23、19、13歳(2006年12月現在)の4人の子ども母親、上3人は男の子。2005年には長男に孫が誕生。
長男は19歳で結婚、15歳から海外生活が多く、アフリカでサッカーのプロ選手だったこともあり、現在、BMX自転車のプロ競技者。二男あふるさんは、丹波養護学校卒業後京都市内のパン屋で働く。絵描きとしてのデビューは2003年3月。三男は日本将棋連盟のプロ棋士養成所である奨励会の会員。5才のときから保育園に通えなくなり、小中高と不登校。フリースクールにたまに顔を出す。長女は小学校を4日間だけ体験。引きこもりにしては穏やかにすごす。2006年、中学一年生で突然学校に通い始めた。
「三人の子と年1回の海外旅行を楽しむことを目標にしているが、3回しか行けていない」と嘆きつつ、「 三男の暴れがすごかったので、いろんなことが転換してしまった。つらい体験だったけど、やり直しができてよかった。おかしな子ばかりで、まだ子育ての現役を痛感させられる」と屈託なく微笑む不思議な人。
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